2023.07.20
活動報告第7回「IUJむすびばカレッジ」を開催いたしました
7月15日(土)に第7回「IUJむすびばカレッジ」を開催いたしました。『習近平の覇権戦略:中国共産党がめざす「人類運命共同体」計画』と題し、国際大学国際関係学研究科の信田 智人教授が登壇。
信田教授が翻訳を手掛けた、中国の防衛と安全保障の研究を行っているイアン・イーストン氏の著書、『習近平の覇権戦略:中国共産党がめざす「人類運命共同体」計画』では、中国が人民解放軍のエリートたちをいかに教育しているのか、その内部資料を入手したことで判った習近平政権の戦略について、恐ろしくも興味深い内容で語られているということをご紹介いただきました。
中国は長い年月をかけ中国再建を目指し、技術的な発展、優秀な人材(知識)の獲得に力を注いできました。これは中国共産党革命100周年に当たる2049年までに、世界の経済的、軍事的、そして政治のリーダーとしての地位をアメリカから奪取するという習近平政権の野望が深く関係しているということが様々な事例から見てとることができました。
この講義では、昨今の中国製品の代表例であるスマートフォンやコンピューター、そしてスマートテレビといった広がりが中国政府の個人情報収集のために役立っているという事実を知ることができました。さらに、海外の港に置かれている船荷用コンテナのシステムの8割が中国製の現在、世界の積み荷情報を収集でき、中国がその気を見せれば世界中のシステムを停止できるのではないかという可能性についても触れることができました。
また、前回ご講義いただいた廖 胤瑋 (リャオ インウェイ)さんのテーマ「台湾の現状とこれから」に深く通じる内容も多く語られ、台湾が中国統治下になるということは日本にとって非常に恐ろしい事態になるということ、日本人も台湾有事について真剣に考える必要があるということが分かりました。
今回で7回目となるIUJむすびばカレッジでしたが、多くのリピーターの方にお越しいただき、地元の高校生の姿も引き続き見られました。信田教授の参加型講義のおかげで参加者の方も熱心に質問、交流をされていました。
今回のむすびばカレッジにおいて何かの学びや「結び」の場と感じていただけましたら幸いです。
「IUJむすびばカレッジ」とは...
国際大学の教員が自身の研究・教育分野の視点から地域のみなさまの生活に身近なトピックを取り上げ講話いたします。対話を通じて市民のみなさまに国際大学の教員や学生、研究分野等についてさらに知っていただくための交流の場を創出することを企図しています。相互の交流の機会を通して、国際理解や「内なる国際化」にも繋げていけることを期待しています。詳しくは専用ウェブサイトをご覧ください。
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